恋愛の心理学を研究で確かめる。第一印象や吊り橋効果はどこまで本当か

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「心理学的に、こうすれば好かれる」という話は、本やネットにあふれています。ただ、その多くは、研究の一部だけが切り取られていたり、後の研究で確かめられていなかったりします。
この記事では、恋愛や人間関係でよく引用される心理学の考え方を、もとの研究の内容と、その限界とあわせて整理しました。「必ず好かれる方法」を教える記事ではなく、心理学の知見を、使いすぎない形で知ることが目的です。
前提:心理学の研究には「再現性」の問題がある
2015年、心理学者のグループ(Open Science Collaboration)が、有名な心理学の研究100件を、もう一度同じ方法で試す大規模な検証を行いました。結果は、もとの研究と同じ結果が得られたのは、全体の約4割程度でした。
これは「心理学は嘘だ」という意味ではありません。ただ、一つの実験の結果を、そのまま人間関係に当てはめるのは危ないということを示しています。以下の話も、「傾向がある」程度に受け取るのがおすすめです。
第一印象は、とても早く決まる
プリンストン大学のウィリス氏とトドロフ氏の研究(2006年)では、顔写真をわずか0.1秒見ただけの評価が、じっくり見た後の評価とよく似ていたことが示されました。人は、ごく短い時間で、相手の「信頼できそうか」などの印象を決める傾向があります。
- 言えること: 第一印象が、短い時間で形成される傾向がある
- 言えないこと: その印象が正しい、または変えられないということ
実際の婚活では、2回目、3回目に会うことで、印象が変わることがよくあります。第一印象だけで判断せず、数回会ってみるのは、理にかなった方法です。
単純接触効果:会う回数が増えると、好意が高まりやすい
心理学者のザイアンス氏の研究(1968年)で、繰り返し接するほど、対象への好意が高まる傾向が示されました。これを単純接触効果といいます。
- 言えること: 最初に嫌な印象がなければ、接する回数が増えるほど好意が高まりやすい
- 言えないこと: 最初に悪い印象を持った相手でも、会えば好きになる、ということ
しつこく連絡をすれば好かれる、という意味ではありません。自然な頻度で、無理なく会うことが前提です。
自己開示の返報性:打ち明けると、打ち明けが返ってくる
自分のことを話すと、相手も自分のことを話してくれやすくなり、親密さが増す傾向があります(自己開示の返報性)。コリンズ氏とミラー氏による多くの研究のまとめ(1994年)でも、自己開示をした相手に、好意を持ちやすい傾向が報告されています。
- 言えること: 少しずつ、お互いに自己開示を重ねると、親密になりやすい
- 気をつけること: 最初から重い話や、深刻な悩みを打ち明けると、相手が負担に感じることがある
「相手が話した分、自分も同じくらい話す」というバランスが、無理のない目安です。
類似性:似ている人を好きになりやすい
価値観や趣味、考え方が似ている相手を好きになりやすいという傾向が、多くの研究で報告されています(心理学者バーン氏の研究など)。婚活で、価値観や結婚観が近い相手を重視するのは、この傾向とも合っています。
ただし、「似ていれば必ずうまくいく」わけではありません。違いを尊重し合える関係が、長続きすることもあります。
吊り橋効果:ドキドキを、恋と勘違いする?
1974年のダットン氏とアロン氏の研究では、不安定な吊り橋の上で会った女性に、男性が好意を持ちやすかったという結果が報告されました。ドキドキを、相手への好意と取り違える可能性が指摘されています。
ただし、後の追試では、同じ結果が得られなかった研究も報告されています。「ドキドキする場所に連れていけば、好かれる」と考えるのは、根拠が弱いです。
吊り橋効果は、使うものではなく、「ドキドキしたからといって、すぐに相手を好きだと決めつけない」ための知識として、知っておくのがよいでしょう。
使うときの心構え
- 「テクニック」で相手を動かそうとしない。 心理学の知見を、相手を操作するために使うと、関係が壊れやすくなります
- 一つの研究を、絶対視しない。 再現されていない研究も多い
- 目の前の相手を見る。 一般的な傾向より、その人との実際のやりとりが大切
婚活で、これらをどう活かすか
| 知見 | 活かし方 |
|---|---|
| 第一印象は早く決まる | 清潔感と、自然な笑顔を意識する。ただし、印象は変わるので、数回会ってから判断する |
| 単純接触効果 | 無理のない頻度で、会う機会を重ねる |
| 自己開示の返報性 | 少しずつ、お互いのことを話す |
| 類似性 | 価値観・結婚観を、早めに確認する |
出会いの入り口を選ぶときは、結婚相談所とマッチングアプリの違いも参考にしてください。アプリで出会うときの安全の確認は、マッチングアプリを安全に使うためのチェックポイントにあります。
まとめ
- 心理学の研究には再現性の問題がある。1つの研究を、そのまま当てはめない
- 第一印象は早く決まるが、数回会うと変わることが多い
- 会う回数と、お互いの自己開示が、親密さを育てやすい
- 心理学は、相手を動かすテクニックではなく、自分と相手を理解するための知識として使う
アイキャッチ写真: Ashwini Chaudhary (Monty) / Unsplash



