脱毛の症状と原因
このページでは、薄毛の病名別症状と病因を掲載しています。
あてはまる症状によっては専門医の診察を受けた方が良い場合もありますのでご注意ください。
【毛の脱落によるもの】
《円形脱毛症》
症状
コインのように円く毛が抜けて無くなります。脱毛する単発型が基本ですが、一ヵ所と限らず
たくさんできることもあります。また、頭全体の毛が抜けたり、全身の毛が抜けることも
あります。
頭全体の場合は全頭型、全身の場合は汎発型といいます。
頭髪の生え際が帯状にぬける場合は蛇行型といいます。
病因
原因は成長期の毛包がリンパ球の攻撃を受けて壊されてしまうからです。
どうして、自分のリンパ球が自分の毛包を攻撃してしまうのか、その理由は完全には分かって
いませんが、現在では毛包を標的にした自己免疫病だと考えられています。
リンパ球の攻撃が抑えられれば元通りの毛が生えてきます。
《トリコチロマニア》
症状
一種の癖で、自分の毛を抜いてしまうので脱毛状態になります。
子供に多く見られ、毛自体の病気ではありません。毛を抜く行為を止めれば毛は生えて
きます。たいていは利き手側の頭髪を抜きますが、眉毛などを抜くこともあります。
脱毛部には切られた毛が不規則に残り、ところどころ頭皮を傷めて赤くなっていたり、
脱毛部の形は円くはありません。脱毛に対する治療は不要ですが、円形脱毛症や脱毛を
伴う頭部白癬と間違われて治療されることがあり、注意を要します。
病因
はっきりとした原因はいまだ解明されていません。心に抱えた強いストレスや不安感を軽減
するために髪の毛を抜くという行動に出ているという説もありますが、脳と神経細胞に異常が
発生しているためとする説も有力です。
《休止期脱毛》
症状
人の毛髪は毛根から生えていますが、この毛根は1つ1つが独立した毛周期に従っています。
本来全体の10%程度の休止期が一斉に休止期に入ってしまい、どんどん髪が抜けてしまう状態に
なります。休止期の毛は自然に抜け落ちる運命ですので心配はありませんが、正常な毛周期に戻す
ことが大切です。休止期脱毛症の特徴は、男性型脱毛症等にみられる軟毛化があまり顕著でない
ことです。
病因
原因は色々考えられ、ストレスや、外科処置などによる物理的なダメージ、貧血、極端な食事制限
によるダイエット、甲状腺機能の低下、更年期などのホルモンの変化などがあります。
《内分泌異常による脱毛》
症状
ホルモン異常により毛周期と毛根の形との両方に異常をおこすことが原因です。
内分泌疾患(膠原病、代謝病、消化器病などの全身病)はホルモンの病気とも言われています。
ホルモンは脱毛と深い関わりがあり、ホルモンに異常が起きると脱毛を引き起こす可能性が
あります。
病因
内分泌疾患というのは、体の健康を維持したり、機能を正常に働かせるために必要な内分泌代謝に
異常が起こるという疾患です。 内分泌代謝とは簡単に言ってしまうとホルモンのことで、ホルモン
の分泌のバランスが崩れたり、正常に分泌されなくなることで内分泌疾患が起こります。
ホルモンは下垂体や甲状腺、副甲状腺、副腎などで分泌されますが、何らかの素因によって分泌
バランスが崩れると疾患が起こり、それが毛周期と毛根組織の両方に影響を与えて発毛異常が引き
起こされます。
《栄養障害による脱毛》
症状
髪の毛まで栄養が行かず成長しないまま休止期を迎えてしまい、脱毛してしまうという状態です。
このような事態を避けるために、髪の毛を作る上での大切な成分を摂取するようにしましょう。
病因
食事制限による無理なダイエットや極度な偏食など。
《皮膚感染症による脱毛》
症状
感染による脱毛症には、白癬菌(真菌症)による脱毛、梅毒性脱毛症があります。
白癬性脱毛は頭皮に白癬(水虫と同じ白癬菌というカビの種類の菌)が感染して痒み、皮膚の
剥がれ落ち、フケの大量発生、頭皮の炎症、脱毛が生じ、円形脱毛症のような丸い斑ができます。
円形脱毛症と判断を間違ってしまうこともあり、自己判断は難しいので症状が悪化して化膿する
前に専門医師のもとで正しい治療を行いましょう。
梅毒性脱毛症のは性行為によって感染し、梅毒トレポネーマという菌が原因の感染症です。
潜伏期間があり、梅毒に感染してから5ヶ月くらいに発症し、頭部の後ろからサイド部分にかけて
脱毛します。小さな斑がたくさんでき、進行状態が第1期から第4期と分かれていてそれぞれに
症状が異なり、放っておいて悪化させてしまうと、脳神経や脊髄にまで害を及ぼしてしまう
病気です。進行状態が前段階のうちに専門医師のもとで早期治療を行いましょう。
病因
白癬菌(真菌症)、梅毒の感染。
《皮膚腫瘍による脱毛》
症状
悪性黒色腫等の皮膚腫瘍により腫瘍部分が脱毛します。腫瘍の大きさにより脱毛の広さも
違います。
病因
悪性黒色腫等の皮膚腫瘍の発症。
《瘢痕性脱毛》
症状
外傷や熱傷、放射線などによる瘢痕形成の結果、毛包が不可逆的に破壊されて脱毛して
しまいます。
病因
外傷や熱傷、放射線照射。
《薬剤や化学物質による脱毛》
症状
放射線を頭に照射した場合には脱毛がおこります。放射線は、がん細胞にダメージを与えると
同時に正常な皮膚の細胞に対しても、影響を及ぼします。照射を受けた部位の皮膚が皮膚炎を
起こし、その程度がひどいと毛根まで影響が及び、通常治療開始2〜3週間より脱毛が始まります。
しかし、放射線治療が終了して皮膚の炎症がおさまってくると、正常な皮膚が復活して毛根も発毛
の準備が整います。個人差と毛根の障害の程度にもよりますが、治療終了後、2〜3ヵ月で毛が生え
始めます。
抗がん剤による脱毛がなぜ起きるのかは判明していませんが、抗がん剤により毛根が障害を受ける
結果起こると考えられます。抗がん剤治療は全身の治療です。そのため、体毛全体に影響を
及ぼします。しかし、毛根が完全に障害されてなくなることはないため、抗がん剤による脱毛は
一時的なものです。通常1〜3週間で抜け始めます。治療が終わると1〜2ヵ月で再生が始まり、
3〜6ヵ月でほとんど回復しますが、個人差、治療の組み合わせにより異なります。また、薬の種類
によっても異なります。
その他、ピル(経口避妊薬)や精神疾患などに使われる向精神薬も薄毛を誘発することがあります。
病因
癌治療。
【軟毛化によるもの】
《男性型脱毛症》
症状
毛周期を繰り返す過程で成長期が短くなり、休止期にとどまる毛包が多くなることを
病態の基盤とし、臨床的には前頭部や頭頂部の頭髪が軟毛化して細く短くなり
最終的には頭髪が皮表に現れなくなる現象である。
この病態は男女を問わず同一で有り、休止期脱毛と異なりパターン化した脱毛
が特徴である。 国際的には「女性型脱毛症」といわれることが多くなってきています
病因
遺伝的な場合は、ある時期から男性ホルモン(とくにジヒドロテストステロン)に対する
毛包の感受性が高まり、成長期の短縮や休止期毛の増加、毛包の縮小、終毛
から軟毛への逆転換などが生じます。脱毛部では、細い疎な軟毛が生じるようになり、
それも減少してついには脱毛となります。
《毛の脆弱性によるもの》
症状
硬毛は作られますが、毛包破壊の結果生じた毛幹の脆弱性による脱毛により、
毛の質が脆弱で切れてしまう状態です。
《各種の毛髪奇形》
症状
毛髪の質や構造の異常による毛髪の形態異常や脆弱な状態をいいます。易断裂性による脱毛を
呈することがあります。脱毛の原因となる毛髪奇形として、結節性裂毛症・陥入性裂毛症・
連珠毛・白輪毛などがあります。
結節性裂毛症は、種々の先天性および後天性疾患あるいは物理化学的障害による毛幹脆弱性を
背景として、外力で生じる二次的変化です。
陥入性裂毛症は、症候群に特異的な毛髪奇形で、SPINK5遺伝子の変異による内毛根鞘と
毛小皮の強度低下のため角化帯において毛幹の遠位側が近位側に陥入して形成されます。
連珠毛はケラチン遺伝子の変異により周期的な毛幹狭小化をきたして、数珠状外観を呈します。
白輪毛は毛幹に含気性空隙による白色輪を生じるもので、原因遺伝子は未同定です。
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