家を売る流れと費用。査定から引き渡しまで、仲介手数料と税金の考え方

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家を売るときは、売れる価格だけでなく、かかる費用と、売ったあとの税金まで見ておかないと、手元に残るお金が想像と違うことがあります。
この記事は、国土交通省・国税庁などの公開されている情報をもとに、売却の流れと費用の考え方を整理したものです。実際に売却した記録ではありません。税金の計算は個別の事情で変わるので、最終的には税務署・税理士・不動産会社に確認してください。
この記事でわかること
- 家を売る流れ(査定から引き渡しまで)
- かかる費用と、計算の例
- 売ったあとの税金の考え方
- 売りにくい家のときの選択肢
家を売る流れ
| ステップ | 内容 | 目安 |
|---|---|---|
| 1. 相場を調べる | 近くの似た物件の売り出し価格や成約価格を見る | 数日〜 |
| 2. 査定を依頼する | 不動産会社に価格を見積もってもらう(複数社で比べる) | 1〜2週間 |
| 3. 媒介契約を結ぶ | 売却を任せる会社と契約する | 契約日 |
| 4. 売り出す | 広告・内見の対応 | 数か月かかることもある |
| 5. 買主と条件を決める | 価格・引き渡し時期などを交渉する | — |
| 6. 売買契約を結ぶ | 手付金を受け取る | 契約日 |
| 7. 引き渡しと残金の受け取り | 登記の手続き、鍵の引き渡し | 契約の1〜2か月後が多い |
| 8. 確定申告 | 売った翌年に申告する(必要な場合) | 翌年2月中旬〜3月中旬 |
売り出してから売れるまでの期間は、物件や地域で大きく違います。あらかじめ余裕をもって計画を立てます。
査定の2つの方法
| 方法 | 内容 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 机上査定(簡易査定) | 物件の情報や周辺の取引データから、おおよその価格を出す | まず相場をつかみたいとき |
| 訪問査定 | 担当者が現地を見て、状態を確認して価格を出す | 売却を具体的に進めるとき |
査定額は、会社によって差があります。査定額が高いことと、その価格で売れることは別なので、根拠の説明を聞いて比べます。
媒介契約の3つの種類
売却を任せる不動産会社とは、媒介契約を結びます。
| 種類 | 他社への依頼 | 自分で買主を見つける | 会社の報告義務 |
|---|---|---|---|
| 一般媒介 | 複数社に依頼できる | できる | 決まりはない |
| 専任媒介 | 1社のみ | できる | 2週間に1回以上 |
| 専属専任媒介 | 1社のみ | できない | 1週間に1回以上 |
専任・専属専任は、契約の有効期間が3か月以内と決まっています。売り出し情報は、指定流通機構(レインズ)に登録されます。
かかる費用
| 費用 | 内容 |
|---|---|
| 仲介手数料 | 不動産会社への成功報酬。上限が法律で決まっている |
| 印紙税 | 売買契約書にかかる税金。契約金額で変わる |
| 登記費用 | 住宅ローンが残っている場合の抵当権抹消など |
| 引越し・片付けの費用 | 家財の処分、引越しの費用 |
| 譲渡所得税・住民税 | 売って利益が出たときの税金(後述) |
仲介手数料の計算(上限)
売買価格が400万円を超える場合の上限は、次の式で決まっています。
売買価格 × 3% + 6万円 + 消費税
なお、2024年7月の改正で、800万円以下の物件については、売主から受け取れる上限が調整されました(現地調査などの費用を含めた最大で30万円(税抜)まで)。
次の仮の数字の例で、売却価格3,000万円の場合を計算します。
| 項目 | 金額(例) |
|---|---|
| 売却価格 | 30,000,000円 |
| 3%分 | 900,000円 |
| 6万円を加算 | 960,000円 |
| 消費税(10%)を加算 | 1,056,000円 |
つまり、3,000万円で売ると、仲介手数料の上限は約105.6万円です。これに登記費用や印紙税が加わります。
売ったあとの税金
家を売って利益(譲渡所得)が出た場合、所得税・住民税がかかります。
譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)
- 取得費。 購入したときの代金や費用から、建物の減価償却相当額を引いた額。購入時の資料がない場合は、売却価格の5%を取得費とする方法(概算取得費)がある
- 譲渡費用。 仲介手数料、印紙税、売るための測量費用など
税率は所有期間で変わる
所有期間が、売却した年の1月1日時点で5年を超えるかで、税率が変わります。
| 所有期間 | 区分 | 税率(所得税・住民税・復興特別所得税の合計) |
|---|---|---|
| 5年を超える | 長期譲渡所得 | 約20.315% |
| 5年以下 | 短期譲渡所得 | 約39.63% |
住んでいた家は「3,000万円特別控除」がある
自分が住んでいた家を売る場合、譲渡所得から最高3,000万円を差し引ける特例があります。ほかにも、住んでいない家になって3年を経過する年の末日までに売ること、親族などへの売却ではないこと、といった条件があります。条件は国税庁の案内で確認してください。
次の仮の数字の例で、特別控除を使った場合の税金を計算します(単純化した例です)。
| 項目 | 例1 | 例2 |
|---|---|---|
| 売却価格 | 5,000万円 | 6,000万円 |
| 取得費+譲渡費用 | 3,000万円 | 2,000万円 |
| 譲渡所得 | 2,000万円 | 4,000万円 |
| 3,000万円特別控除 | −3,000万円 | −3,000万円 |
| 課税される所得 | 0円 | 1,000万円 |
| 税額(所有5年超・20.315%) | 0円 | 約203万円 |
どちらの例も、特別控除を使うには確定申告が必要です。課税される所得が0円になっても、申告をしないと控除は受けられません。
売ったあとの手続き
- 確定申告。 売った年の翌年2月中旬〜3月中旬ごろに申告する。特例を使う場合は必須
- 住宅ローンの完済と抵当権の抹消。 引き渡しの日に、残債を完済して抵当権を外す
- 公共料金・火災保険の解約。 引き渡し日に合わせて手続きする
売るときに注意すること
売りにくい家のときの選択肢
築年数が古い、再建築ができない、共有名義、事故物件など、ふつうに売り出しても買い手がつきにくい家もあります。その場合は、次の選択肢があります。
- 訳あり物件を扱う買取会社に相談する。 仲介より価格が低くなることが多いが、早く確実に売れる
- 条件を整えてから売る。 境界の確定、残置物の処分などで売りやすくなる
- 用途を変えて活用する。 賃貸、駐車場など
訳あり物件の売り方は、訳あり不動産の売却の記事にまとめています。相続した空き家は相続した空き家の記事も参考にしてください。
売りにくい家の相談先の候補
掲載している内容は記事を書いた時点のものです。料金やキャンペーンは変わることがあるので、申し込む前に公式サイトで最新の情報をご確認ください。
仲介で売れる家は、まず複数の不動産会社で査定を比べます。買取会社の査定は、仲介で売り出したときの価格と比べる材料として使えます。
よくある失敗
よくある質問
仲介手数料は、必ず上限まで払うもの?
上限であって、定額ではありません。会社によって料金が違うので、査定を依頼するときに確認します。
売却にかかる期間は?
物件や地域で大きく違います。売り出してから数か月かかることもあるので、余裕をもって計画します。
売れなかったら、手数料はかかる?
仲介手数料は、売買が成立したときの成功報酬です。ただし、広告費などの扱いは契約で決まるので、媒介契約の内容を確認します。
住宅ローンが残っていても売れる?
売却代金などでローンを完済できれば売れます。完済できない場合は、不足分の準備が必要です。金融機関に早めに相談します。
売る前にリフォームした方がいい?
必ずしも得とは限りません。かけた費用の分だけ高く売れるとは限らないので、不動産会社に相談してから決めます。
まとめ
- 家を売る流れは、相場→査定→媒介契約→売買契約→引き渡し→確定申告
- 費用は、仲介手数料が大きい。3,000万円で売ると、上限は約105.6万円
- 利益が出たら譲渡所得税。住んでいた家は3,000万円特別控除があるが、申告が必要
- 売りにくい家は、訳あり物件の買取会社も比べる
アイキャッチ写真: Filip Szalbot / Unsplash



