不動産・引越更新 2026.10.27読了 約9分

家を売る流れと費用。査定から引き渡しまで、仲介手数料と税金の考え方

木のテーブルに置かれた鍵の束

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家を売るときは、売れる価格だけでなく、かかる費用と、売ったあとの税金まで見ておかないと、手元に残るお金が想像と違うことがあります。

この記事は、国土交通省・国税庁などの公開されている情報をもとに、売却の流れと費用の考え方を整理したものです。実際に売却した記録ではありません。税金の計算は個別の事情で変わるので、最終的には税務署・税理士・不動産会社に確認してください。

おうちくん
実家の家を売ろうか迷っています。何から始めればいいですか?
ふどう先生
最初に決めるのは、いくらで売りたいかより、手元にいくら残したいかです。費用と税金を引いた額が、実際に使えるお金ですから。
おうちくん
費用って、どれくらいかかるんですか?
ふどう先生
仲介手数料が大きい部分です。順番に見ていきましょう。
売る価格より「手元に残る額」で考える

この記事でわかること

  • 家を売る流れ(査定から引き渡しまで)
  • かかる費用と、計算の例
  • 売ったあとの税金の考え方
  • 売りにくい家のときの選択肢

家を売る流れ

ステップ内容目安
1. 相場を調べる近くの似た物件の売り出し価格や成約価格を見る数日〜
2. 査定を依頼する不動産会社に価格を見積もってもらう(複数社で比べる)1〜2週間
3. 媒介契約を結ぶ売却を任せる会社と契約する契約日
4. 売り出す広告・内見の対応数か月かかることもある
5. 買主と条件を決める価格・引き渡し時期などを交渉する—
6. 売買契約を結ぶ手付金を受け取る契約日
7. 引き渡しと残金の受け取り登記の手続き、鍵の引き渡し契約の1〜2か月後が多い
8. 確定申告売った翌年に申告する(必要な場合)翌年2月中旬〜3月中旬

売り出してから売れるまでの期間は、物件や地域で大きく違います。あらかじめ余裕をもって計画を立てます。

査定の2つの方法

方法内容向いている場面
机上査定(簡易査定)物件の情報や周辺の取引データから、おおよその価格を出すまず相場をつかみたいとき
訪問査定担当者が現地を見て、状態を確認して価格を出す売却を具体的に進めるとき

査定額は、会社によって差があります。査定額が高いことと、その価格で売れることは別なので、根拠の説明を聞いて比べます。

媒介契約の3つの種類

売却を任せる不動産会社とは、媒介契約を結びます。

種類他社への依頼自分で買主を見つける会社の報告義務
一般媒介複数社に依頼できるできる決まりはない
専任媒介1社のみできる2週間に1回以上
専属専任媒介1社のみできない1週間に1回以上

専任・専属専任は、契約の有効期間が3か月以内と決まっています。売り出し情報は、指定流通機構(レインズ)に登録されます。

かかる費用

費用内容
仲介手数料不動産会社への成功報酬。上限が法律で決まっている
印紙税売買契約書にかかる税金。契約金額で変わる
登記費用住宅ローンが残っている場合の抵当権抹消など
引越し・片付けの費用家財の処分、引越しの費用
譲渡所得税・住民税売って利益が出たときの税金(後述)

仲介手数料の計算(上限)

売買価格が400万円を超える場合の上限は、次の式で決まっています。

売買価格 × 3% + 6万円 + 消費税

なお、2024年7月の改正で、800万円以下の物件については、売主から受け取れる上限が調整されました(現地調査などの費用を含めた最大で30万円(税抜)まで)。

次の仮の数字の例で、売却価格3,000万円の場合を計算します。

項目金額(例)
売却価格30,000,000円
3%分900,000円
6万円を加算960,000円
消費税(10%)を加算1,056,000円

つまり、3,000万円で売ると、仲介手数料の上限は約105.6万円です。これに登記費用や印紙税が加わります。

おうちくん
仲介手数料だけで100万円を超えるんですね。
ふどう先生
そうなんです。売却額の3%強が目安です。だから「いくらで売れるか」と同じくらい、「手元にいくら残るか」を計算するのが大切です。

売ったあとの税金

家を売って利益(譲渡所得)が出た場合、所得税・住民税がかかります。

譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)
  • 取得費。 購入したときの代金や費用から、建物の減価償却相当額を引いた額。購入時の資料がない場合は、売却価格の5%を取得費とする方法(概算取得費)がある
  • 譲渡費用。 仲介手数料、印紙税、売るための測量費用など

税率は所有期間で変わる

所有期間が、売却した年の1月1日時点で5年を超えるかで、税率が変わります。

所有期間区分税率(所得税・住民税・復興特別所得税の合計)
5年を超える長期譲渡所得約20.315%
5年以下短期譲渡所得約39.63%

住んでいた家は「3,000万円特別控除」がある

自分が住んでいた家を売る場合、譲渡所得から最高3,000万円を差し引ける特例があります。ほかにも、住んでいない家になって3年を経過する年の末日までに売ること、親族などへの売却ではないこと、といった条件があります。条件は国税庁の案内で確認してください。

次の仮の数字の例で、特別控除を使った場合の税金を計算します(単純化した例です)。

項目例1例2
売却価格5,000万円6,000万円
取得費+譲渡費用3,000万円2,000万円
譲渡所得2,000万円4,000万円
3,000万円特別控除−3,000万円−3,000万円
課税される所得0円1,000万円
税額(所有5年超・20.315%)0円約203万円

どちらの例も、特別控除を使うには確定申告が必要です。課税される所得が0円になっても、申告をしないと控除は受けられません。

売ったあとの手続き

  • 確定申告。 売った年の翌年2月中旬〜3月中旬ごろに申告する。特例を使う場合は必須
  • 住宅ローンの完済と抵当権の抹消。 引き渡しの日に、残債を完済して抵当権を外す
  • 公共料金・火災保険の解約。 引き渡し日に合わせて手続きする

売るときに注意すること

契約不適合責任
引き渡した家が契約の内容に合わないとき、売主が責任を負うルールです。個人が売主の場合、期間を短くしたり免責にしたりする特約もあります。
住宅ローンが残っている
売却代金でローンを完済できるかを、先に確認します。足りない場合は、自己資金や住み替えローンを検討します。
共有名義の家
共有者全員の同意がないと売れません。誰が何割持っているかを確認します。
相続した家
相続登記が済んでいないと売れません。相続登記は2024年4月から義務になっています。

売りにくい家のときの選択肢

築年数が古い、再建築ができない、共有名義、事故物件など、ふつうに売り出しても買い手がつきにくい家もあります。その場合は、次の選択肢があります。

  • 訳あり物件を扱う買取会社に相談する。 仲介より価格が低くなることが多いが、早く確実に売れる
  • 条件を整えてから売る。 境界の確定、残置物の処分などで売りやすくなる
  • 用途を変えて活用する。 賃貸、駐車場など

訳あり物件の売り方は、訳あり不動産の売却の記事にまとめています。相続した空き家は相続した空き家の記事も参考にしてください。

売りにくい家の相談先の候補

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訳あり不動産の専門買取サービスです。持分の査定額は会社によって差が出やすいので、比べる候補の一つにしてください。

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仲介で売れる家は、まず複数の不動産会社で査定を比べます。買取会社の査定は、仲介で売り出したときの価格と比べる材料として使えます。

よくある失敗

失敗1:手元に残る額を計算しない
仲介手数料・登記費用・税金を引いた額を、先に出します。
失敗2:1社の査定だけで決める
会社によって査定額が違うので、複数社で比べます。
失敗3:査定額の高さだけで会社を選ぶ
高く出して契約を取り、あとで値下げを促される例もあります。根拠を確認します。
失敗4:確定申告を忘れる
3,000万円特別控除は、申告しないと使えません。

よくある質問

仲介手数料は、必ず上限まで払うもの?

上限であって、定額ではありません。会社によって料金が違うので、査定を依頼するときに確認します。

売却にかかる期間は?

物件や地域で大きく違います。売り出してから数か月かかることもあるので、余裕をもって計画します。

売れなかったら、手数料はかかる?

仲介手数料は、売買が成立したときの成功報酬です。ただし、広告費などの扱いは契約で決まるので、媒介契約の内容を確認します。

住宅ローンが残っていても売れる?

売却代金などでローンを完済できれば売れます。完済できない場合は、不足分の準備が必要です。金融機関に早めに相談します。

売る前にリフォームした方がいい?

必ずしも得とは限りません。かけた費用の分だけ高く売れるとは限らないので、不動産会社に相談してから決めます。

まとめ

  • 家を売る流れは、相場→査定→媒介契約→売買契約→引き渡し→確定申告
  • 費用は、仲介手数料が大きい。3,000万円で売ると、上限は約105.6万円
  • 利益が出たら譲渡所得税。住んでいた家は3,000万円特別控除があるが、申告が必要
  • 売りにくい家は、訳あり物件の買取会社も比べる
おうちくん
売れる価格より、手元に残る額を見るんですね。
ふどう先生
はい。費用と税金を引いた額で、売るかどうかを決めてください。迷ったら、複数社の査定と税務署の相談窓口を使いましょう。

アイキャッチ写真: Filip Szalbot / Unsplash

この記事の先生
ふどう先生

家の売却・リフォーム・引越しの手順にくわしい、ヘルメット姿のカピバラ。

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