相続した実家が空き家に。売る・貸す・手放す前に知っておく手続きと期限

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親が亡くなって実家を相続したものの、自分は別の場所に家がある。きょうだいも住む予定がない。とりあえずそのままにしている——という空き家は、全国で増えています。
ただ、空き家は持っているだけで固定資産税がかかり、草木の手入れや換気のために通う手間も続きます。放置して傷みが進むと、税金の優遇がなくなることもあります。この記事では、相続した実家を手放すまでの手続きと期限を、法律や国の制度の公開情報をもとに整理しました。個別の判断は、税理士・司法書士・自治体の窓口などで確認してください。
まず期限を確認する
相続した不動産には、いくつか期限のある手続きがあります。
| 手続き | 期限 | ポイント |
|---|---|---|
| 相続放棄 | 相続の開始を知った時から3か月以内 | 実家だけでなく、すべての財産を放棄することになる |
| 相続税の申告 | 亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内 | 財産の合計が基礎控除を超える場合 |
| 相続登記 | 相続を知った日から3年以内 | 2024年4月から義務。正当な理由なく怠ると過料の対象 |
| 空き家の3,000万円特別控除 | 相続から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却 | 条件を満たすと、売った利益から控除できる |
売ることを考えているなら、「3年」が一つの目安になります。相続登記と、空き家の特別控除の期限がどちらも3年前後だからです。
相続登記は「売る前に必須」
2024年4月1日から、相続で不動産を取得した人は、相続を知った日から3年以内に登記をすることが義務になりました。それより前に相続して、登記をしていない不動産も対象です。
売るときは、亡くなった親の名義のままでは売れません。まず相続人の名義に変える必要があります。きょうだいで相続する場合は、誰がどの割合で相続するかを遺産分割協議で決めて、その内容で登記します。
きょうだいで「とりあえず全員の共有」にすると、売るときに全員の同意が必要になります。誰か一人が反対したり、連絡が取れなくなったりすると動けません。共有で困っている場合の対処は、共有名義の不動産、自分の持分だけ売れる?にまとめました。
空き家を売ったときの税金の特例
親が一人で住んでいた家を相続して売った場合、一定の条件を満たすと、売った利益(譲渡所得)から最大3,000万円を差し引ける特例があります(「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除」)。
主な条件は次のとおりです。
- 1981年(昭和56年)5月31日以前に建てられた家であること
- 亡くなる直前まで、親が一人で住んでいたこと(老人ホームに入っていた場合も、条件により対象)
- 相続から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
- 売った金額が1億円以下であること
- 耐震の基準を満たすようにリフォームするか、建物を取り壊して売ること(2024年以降は、買った人が売買の翌年2月15日までに工事をする場合も対象)
2024年1月以降の売却では、相続人が3人以上いる場合、1人あたりの控除額は2,000万円になります。条件が細かいので、売る前に税務署か税理士に確認してください。
空き家のままにしておくと
- 固定資産税 — 住宅が建っている土地は、税金が軽くなる特例があります。ただし、管理が行き届かず自治体から「特定空家」や「管理不全空家」として勧告を受けると、この特例が外れて税金が上がります
- 管理の手間 — 換気、通水、草刈り、郵便物の確認。遠方なら交通費もかかります
- 傷み — 人が住まない家は傷みが早く、時間がたつほど売りにくくなります
片付けの進め方
売るにしても貸すにしても、家の中の荷物(残置物)をどうするかが最初の山です。
- 貴重品と重要書類(権利証、通帳、保険証券、遺言書など)を先に探す
- 形見として残すものを、きょうだいで分ける
- 残りを処分する。量が多い場合は、遺品整理の業者に見積もりを頼む
遺品整理の業者は、作業の範囲や料金の決め方が業者ごとに違います。2〜3社に見積もりを取り、何が料金に含まれるか(運び出し、処分、清掃、買取できるものの扱い)を比べてください。
なお、荷物が残ったままでも買い取る不動産会社もあります。その場合は処分の費用が買取価格から差し引かれます。自分で片付けるのが難しいなら、片付けてから売る場合と、そのまま売る場合の両方で金額を聞いて比べるのも一つの方法です。
売り方の選び方
| 状況 | 向いている売り方 |
|---|---|
| 立地がよく、家の状態もいい | 仲介(不動産会社に買い手を探してもらう)。相場に近い価格を狙える |
| 古い・遠い・急ぎたい・荷物が残っている | 買取(不動産会社に直接買ってもらう)。価格は下がりやすいが、早く確実 |
| 再建築できない・共有名義・事故があった | 訳あり物件を専門に扱う買取業者 |
仲介と買取の違いは、売りにくい家を「買取」で手放す方法で詳しく説明しています。
売れない土地を国に引き取ってもらう制度もある
2023年4月から、相続した土地を国に引き取ってもらう「相続土地国庫帰属制度」が始まりました。ただし、建物がある土地は対象外で、建物を取り壊す必要があります。審査の手数料と、承認された場合の負担金(原則20万円)もかかります。売れる見込みがある場合は、先に売却を検討するほうが現実的です。
空き家の相談先
空き家や中古の戸建ての買取を専門にしている会社です。Webで査定を申し込めます。古い家や遠方の家を、早く手放したい人の相談先の候補です。
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まとめ
- 相続登記は3年以内に。売るにも名義の変更が先に必要
- 親が一人で住んでいた古い家なら、空き家の3,000万円特別控除が使えるか確認する(期限あり)
- 放置すると、税金の優遇が外れたり、家が傷んで売りにくくなったりする
- 片付けが難しければ、荷物ごと買い取る会社も比べる
アイキャッチ写真: Gavin Li / Unsplash



