借地の上の家を相続したら。借地権を売る方法と、地主との話し合いの順番

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親の家を相続したら、土地は親のものではなく、地主から借りていた——。古くからの住宅地では、よくあるケースです。土地を借りて家を建てる権利を借地権といいます。
借地権つきの家は、自分の土地の家と違って、売るときに地主の承諾が必要です。この記事では、借地権つきの家を相続したときの扱いと、手放す方法を、民法と借地借家法のルールに沿って整理しました。契約の内容によって取れる方法が変わるので、具体的には契約書を確認したうえで、専門家や借地権を扱う不動産会社に相談してください。
相続するとき:地主の承諾はいらない
借地権は、相続で引き継ぐ場合は地主の承諾がいりません。相続は「譲渡(売ったりあげたりすること)」にあたらないからです。そのため、名義を変えるための承諾料(名義書換料)も、原則として払う必要はありません。
まずやることは次の3つです。
- 借地契約書を探す(契約の期間、地代、更新や建て替えの条件が書いてあります)
- 地主に、相続したことと、今後の連絡先を伝える
- 建物の相続登記をする(2024年4月から相続登記は義務。3年以内)
契約書が見つからない場合は、地代の領収書や、地主とのやりとりの記録を集めておきます。
借地権の種類を確認する
| 種類 | 主な特徴 |
|---|---|
| 旧法の借地権(1992年7月31日以前に設定) | 期間が満了しても、地主に正当な理由がなければ更新されやすい |
| 普通借地権(1992年8月以降) | 最初の期間は30年以上。更新あり |
| 定期借地権 | 期間が満了したら更新なしで終わり、更地にして返すのが原則 |
古くからの借地は、旧法の借地権であることが多いです。定期借地権の場合は、期間が終われば返す契約なので、残りの期間が売りやすさに大きく影響します。
売り方の4つの選択肢
1. 地主に買い取ってもらう
地主にとっては、土地を自由に使えるようになるので、話がまとまりやすい相手です。承諾料の問題も起きません。まずは地主に意向を聞いてみるのが自然な順番です。
2. 地主の土地(底地)と一緒に売る
地主も土地を手放したいと考えている場合は、借地権と底地をまとめて第三者に売る方法があります。ふつうの土地つきの家として売れるので、別々に売るより高くなりやすいと言われます。
3. 地主の承諾を得て、第三者に売る
借地権を第三者に売るには、地主の承諾が必要です。承諾を得るために承諾料(譲渡承諾料)を払うのが一般的で、金額は借地権の価格の1割程度が目安と言われることが多いですが、話し合いで決まります。
4. 借地権の買取業者に売る
地主との交渉や承諾の手続きを含めて、借地権を扱う不動産会社に買い取ってもらう方法です。価格は下がりやすいものの、自分で地主と交渉しなくて済むのが利点です。
地主が承諾してくれないとき
正当な理由なく地主が承諾しない場合は、裁判所に申し立てて、地主の承諾に代わる許可をもらう手続きがあります(借地借家法19条)。裁判所は、承諾料にあたる金額の支払いを条件にすることが多いです。
時間と費用がかかるので、まずは話し合い、それでも進まなければ弁護士に相談する、という順番になります。
返す場合:建物買取請求権
借地の期間が満了して契約が更新されない場合、借地人は地主に、建物を時価で買い取るよう求めることができます(建物買取請求権)。ただし、契約の内容や、どちらの事情で契約が終わるかによって使えないこともあります。また、定期借地権では、更地にして返すのが原則です。
借地権つきの家で、ほかに承諾が必要なこと
- 建て替え・増改築 — 契約書に、地主の承諾が必要と書かれていることが多いです
- 賃貸に出す — 建物を貸すこと自体は原則自由ですが、契約で制限されている場合があります
- ローンを組む — 借地権つきの家を担保にする場合、金融機関から地主の承諾書を求められることがあります
借地権の相談先
借地権の売却を相談から対応しているサービスです。対象は東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県の物件です。地主との交渉に不安がある人の相談先の候補になります。
公式サイトへのリンクは準備中です借地権の買取から売却までを扱うサービスです。対象は東京都の物件です。
公式サイトへのリンクは準備中です訳あり不動産の買取を専門にしている会社です。首都圏以外の物件や、借地のほかにも事情がある物件の相談先として比べてください。
公式サイトへのリンクは準備中です掲載している内容は記事を書いた時点のものです。料金やキャンペーンは変わることがあるので、申し込む前に公式サイトで最新の情報をご確認ください。
査定を頼むときは、借地契約書(またはその写し)、地代の金額、契約の残り期間、地主との関係(話し合いができるか)を伝えると、話が早く進みます。
よくある質問
地代を払い続けるだけで、住まない家を持っていても大丈夫?
契約上は問題ありませんが、地代と建物の固定資産税がかかり続けます。建物が傷んで危険な状態になると、地主との関係にも影響します。使う予定がなければ、早めに方針を決めるのがおすすめです。
地代の値上げを求められたら?
地代は、税金の変動や周辺の地代と比べて不相当になった場合に、増額や減額を求めることができます。一方的に決まるものではないので、根拠を聞いたうえで話し合ってください。
きょうだいで借地権を相続したら?
借地権も、共有で相続すると、売るときに全員の同意が必要になります。共有の問題は、共有名義の不動産、自分の持分だけ売れる?を参考にしてください。
まとめ
- 相続で借地権を引き継ぐのに、地主の承諾はいらない。契約書の確認と、地主への連絡から始める
- 売るときは、地主への売却 → 底地と一緒に売る → 承諾を得て第三者へ → 買取業者の順に検討する
- 地主が正当な理由なく承諾しないときは、裁判所の許可という手続きもある
- 相続した空き家の手続き全体は、相続した実家が空き家になったときの手続きにまとめています
アイキャッチ写真: Filip Szalbot / Unsplash



