共有名義の不動産、自分の持分だけ売れる?手放し方の4つの選択肢

PRこの記事には広告(A8.net)を含みます。掲載条件は変わることがあるので、申し込む前に公式サイトでご確認ください。
相続で、実家をきょうだいの共有名義にした。離婚した元配偶者と、家を共有したままになっている。こうした「共有名義の不動産」は、自分一人では自由に売れません。
一方で、自分の持分(権利の割合)だけなら、ほかの共有者の同意がなくても売れます。この記事では、共有名義の不動産を手放す方法を、民法のルールに沿って整理しました。一般的な仕組みの説明なので、具体的なケースは弁護士・司法書士などの専門家に相談してください。
共有のルール:何に誰の同意がいるか
| やりたいこと | 必要な同意 |
|---|---|
| 物件全体を売る・建て替える | 共有者全員の同意 |
| 賃貸に出す(短期)・リフォームの一部など | 持分の過半数の同意 |
| 修繕などの現状を保つ行為 | 各共有者が単独でできる |
| 自分の持分だけを売る | 同意は不要 |
全体を売りたいのに、共有者の一人が反対している、連絡が取れない、という場合に、次の選択肢を考えます。
選択肢1:共有者全員で全体を売る
いちばん高く売れる可能性があるのは、全員で合意して物件全体を売る方法です。仲介で一般の買い手を探せるので、相場に近い価格を狙えます。売った代金は、持分の割合で分けます。
話し合いができる関係なら、まずここを目指します。
選択肢2:ほかの共有者に、自分の持分を買い取ってもらう
共有者の中に「この家に住み続けたい」「持っていたい」という人がいれば、その人に自分の持分を買ってもらう方法です。物件を一人の名義にまとめられるので、相手にとっても管理しやすくなります。
価格は話し合いで決めます。不動産会社の査定を取って、持分の割合に応じた金額を目安にすると、話がまとまりやすくなります。
選択肢3:自分の持分だけを第三者に売る
ほかの共有者の同意がなくても、自分の持分は売れます。ただ、持分だけを買いたい一般の人はほとんどいないので、実際の売り先は共有持分の買取を扱う不動産会社になります。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 共有者の同意がいらない | 物件全体を売る場合より、価格はかなり安くなりやすい |
| 共有者と話し合わずに、共有関係から抜けられる | 買い取った会社が、ほかの共有者に持分の売却や分割を求めることがある |
| 固定資産税や管理の負担がなくなる | 共有者との関係がさらに悪くなることがある |
持分を売ると、残った共有者の相手が「あなた」から「不動産会社」に変わります。関係を壊したくない相手が共有者にいる場合は、売る前にそのことを考えておいてください。
選択肢4:共有物分割請求
共有者の誰でも、いつでも、共有の状態を解消するよう求めることができます(共有物分割請求)。話し合いで決まらなければ、裁判所に判断してもらうこともできます。
分け方には、主に次の3つがあります。
- 現物分割 — 土地を分筆して、それぞれの単独の名義にする
- 代償分割 — 誰か一人が物件を取得し、ほかの共有者にお金を払う
- 換価分割 — 物件を売って、代金を分ける(裁判では競売になることもある)
裁判は時間も費用もかかり、競売になると市場価格より安くなりがちです。最後の手段と考えるのが一般的です。
共有者が行方不明の場合
2023年4月の民法改正で、所在のわからない共有者がいる場合に、裁判所の手続きを経て、その人の持分を取得したり、物件全体を売ったりできる制度ができました。連絡が取れない共有者がいて動けない場合は、司法書士や弁護士に相談してみてください。
共有のままにしておくリスク
- 固定資産税 — 共有者は連帯して納める義務があります。誰かが払わないと、ほかの共有者に請求が来ることがあります
- 相続でさらに細かくなる — 共有者が亡くなると、その持分がさらに相続人に分かれ、共有者が増えていきます。時間がたつほど話し合いが難しくなります
- 管理の押し付け合い — 誰が草刈りや修繕をするかで揉めやすくなります
相続したばかりの実家なら、共有にする前に、誰か一人が相続して代償金を払う形にできないかを検討する価値があります。相続した空き家の手続き全体は、相続した実家が空き家になったときの手続きにまとめています。
共有持分の買取を扱う会社
訳あり不動産の買取を専門にしている会社です。共有持分のように、ふつうの不動産会社では扱いにくい物件の相談先の候補になります。Webで査定を申し込めます。
公式サイトへのリンクは準備中です訳あり不動産の専門買取サービスです。持分の査定額は会社によって差が出やすいので、比べる候補の一つにしてください。
公式サイトへのリンクは準備中です掲載している内容は記事を書いた時点のものです。料金やキャンペーンは変わることがあるので、申し込む前に公式サイトで最新の情報をご確認ください。
査定を頼むときは、登記事項証明書(持分の割合がわかります)と、ほかの共有者との関係(話し合いができるか、連絡が取れるか)を伝えると、話が早く進みます。
よくある質問
持分を売ることを、ほかの共有者に伝える必要はある?
法律上、事前に伝える義務はありません。ただ、売った後に買い取った会社から連絡が行くので、関係を考えると、事前に伝えておくほうがトラブルになりにくいことが多いです。
共有者が住んでいる家の持分でも売れる?
売れます。ただし、住んでいる人がいる物件は買い取る側にとっても扱いが難しいので、価格に影響します。住んでいる共有者に買い取ってもらう選択肢(選択肢2)を先に検討するのが自然です。
離婚で共有になった家は?
住宅ローンが残っているかどうかで、取れる方法が大きく変わります。ローンが残っている場合は、金融機関の同意が必要になることもあります。財産分与の取り決めとあわせて、専門家に相談してください。
まとめ
- 物件全体を売るには全員の同意が必要。自分の持分だけなら同意なしで売れる
- 高く売りたいなら、まず全員での売却か、共有者への売却を目指す
- 話し合いが難しければ、持分の買取業者に売る方法がある。価格は下がり、共有者との関係にも影響する
- 共有のまま放置すると、相続で権利者が増え、さらに動けなくなる
アイキャッチ写真: Jakub Żerdzicki / Unsplash



